Prime Ministers 私が仕えた16人の総理

 

 「田村さん、長いあいだ本当にお疲れさまでした」
一国の総理が労ってくれた――私は感動のあまり目頭が熱くなった。しかし、グッと涙を堪えて、面会に対する感謝の言葉を述べた。そして今後の活動や、妻と世界一周をすることなどを話し、面会を終えたのだった。
時間にして10分にも満たなかった。あっという間の出来事だ。しかし、総理が私の40年を丁寧に労ってくれた。感無量だった。日本国や自民党のために働いてきて良かったと、心から思った。
総理官邸からの帰り道、私は昔のことを思い出していた。私が仕えた16人の総理大臣、私が接した数多くの政治家たち……多士済々の面々だ。そして、彼らのことを書き残したいと強く思った。それが本書を執筆する理由だ。
この本を通じ、政治に生きた人々、いま生きる人々の強烈な魅力に接してもらいたい。
(『秘録・自民党政務調査会』プロローグより)